就活の志望動機で企業理念に共感や社風に合うはイマイチかもしれない
就職活動で志望動機を作る際には、いろいろな考え方があると思いますけど、その中で「社風に合う」と言う部分を理由にされる方もいます。社風というのは、会社の雰囲気とか、そういったものでしょう。あとは企業理念や考え方にも通じる部分はあるかと思います。社風というのは、確かに企業ごとに違うモノでしょうし、それが自分に合っているか?どいうのは非常に大切だとは思います。ただ、私は社風を志望動機に据えるのはあまりオススメしません。それは社風というのは、あまりにも曖昧な概念で、説得力を持たせるのが難しいと思うのです。社風が自分と合うということは、そもそもどうして言えるのか?と言う問題があります。会社説明会に参加して、OB、OG訪問をして、と言うのが主な理由になるかと思いますけど、それでは何か根拠として弱い気がするのです。
会社説明会に出てみたり、OB、OG訪問をした結果、確かに社風がなんとなく分かる部分もあるかと思いますが、それはそもそも社風と言って良いのか?という問題があるのです。社風というのは会社全体もそうですが、職場の中に醸成される雰囲気だと思うのです。会社説明会やOB、OG訪問で感じられた雰囲気や感触というのは、実際の会社のそれと一致するでしょうか?会社説明会では、当然学生らにいい印象を持ってもらうために、いい雰囲気とか、そういったものを意図的に作るために社員の選び方とかから、内容までこと細かく考えていると思います。また、OB、OG訪問についても、彼らからいろいろな話を聞けるでしょうし、質問もできると思いますけど、彼らから聞けた話がどこまで本当か?は分かりません。当然、彼らも自分の思っていることをそのまま素直に話せるわけはありませんから。彼らも会社にとって不都合になりえることは話せないので、そこでされる話がどこまで真実に近いのか?は分からないのです。
そうなると、現実問題として会社説明会やOB,OG訪問を経て掴んだと思われる社風というものは、どこまで真実と一致しているか?は分かりません。今離したような事情は会社の人間も分かっていることじゃないか?と思います。そうなると、じゃあ会社説明会やOB,OG訪問によって会社の雰囲気を知りました。それが自分の思い求めていたものと合致するため、志望しました。と話しても、会社説明会やOB、OG訪問は現実の社風と一致する保証はないということですから、実際に働いてみて、その学生が思い描いていた社風と現実の社風が違っていたときにはもしかしたら辞めてしまうかもしれない。そう考えたとしたら、採用の可能性は低いでしょう。また、実際に職場で働いてすらいない社風について語っている学生はちょっと浅はかすぎないか?と思われる可能性もあります。社風というものをそんなに簡単に判断して良いのか?ということです。会社説明会やOB、OG訪問もそれを知るための手段の1つになるでしょうけど、それだけで社風を分かった気になるのはどうなのでしょうか?
実際に働いてみたときと学生としてお客様の立場で会社を訪れているときでは、先ほど言ったように会社の対応は全然違うはずですから、その機会のみで社風を判断されても、会社としても、うーん・・・。という感じかもしれません。実際に面接とかでは、具体的にどういう社風だと感じた?と聞かれる可能性もあり、それを詳しく説明しないといけません。そのときに自分なりに説明してみることは出来るものの、その説明した社風と面接官が感じている社風が異なる場合には、その時点で不採用が決まる可能性があります。元の社風の捉え方がおかしいと面接官が思ったときには、その学生は採用されないでしょう。そうなると自分なりにかなり詳しく調べないといけないわけですが、学生の時点で実際の職場に入ることは出来ませんし、インターンシップなどを経験している学生以外はなかなか真実に社風に触れる機会が少ないと思うのです。面接官としてもインターンシップなどで経験したと聞けば、なるほど!と思うかもしれないけど、説明会やOB,OG訪問をして、そこで感じた社風について聞いても、実際の職場を経験していない人の語る社風がどこまで説得力があるか?は難しいですね。
企業理念に共感したという志望動機も同様かもしれません。企業理念というのは、すでに公開されているもので、学生からしても十分に把握が出来るものですが、これは社風に合うというのと共通する部分ですけど、そもそも社風に合うにしろ、企業理念に共感するにしろ、あなたが会社にとってできることがなければ、会社はあなたを採用するメリットがないわけです。社風に合うとか、企業理念に共感してくれるのは嬉しいでしょうし、そういう学生の方が良いのは間違いないが、それは学生側のメリットが強く、企業側にそういう学生を採用するメリットが乏しいのです。企業は利益を出してくれる人材が欲しいので、こういった志望動機は企業としては、自社に何をもたらしてくれるか?が掴めないために、あまり採りたいと思えるものにはならないのではないか?と思います。