指定校推薦で受かった大学に行きたくない、辞退や中退をしたい場合の考察
指定校推薦で入学して、大学を中退したら後輩に迷惑がかかるからできない!と悩んでいる方がいましたら、全く悩む必要ないですよ。というのも、私は別に中退をしても良いと思います。というのも、中退の話って、大学に入ってみないと分からない理由で、中退を考えたわけでしょう?そりゃ高校生の時点で、入学予定の大学の全てを知ることができるわけじゃないので、こんなはずじゃなかった!というのは生まれる余地はありますよ。これはどうしても起こりえます。だから、中退をして迷惑がかかるとか考える必要はない。むしろ、中退したいと思った理由にもよりますが、大学側が悪いと思ええる中退理由だってあると思いますよ。また、そもそも後輩に迷惑がかかるという言い方もあまり適切とは思えないのです。というのも、指定校推薦で入学して、その学生が大学を中退をするとか、成績が悪いとか、何か問題を起こしたとか、それによってその学生の出身高校の指定校推薦の枠が減る可能性も確かにあるでしょう。
しかし、減った枠はどうなるですか?減ったままですか?そんなことないですよね。どこかで補充されると考えるのが普通じゃないですかね?大学全体の1年間の定員(内部進学、一般入試、指定校推薦、公募推薦、AO入試などで入学してくる学生の数)はだいたい決まっているはずですから、何かしらの理由で、どれかの入学形態の定員が減れば、どこかに補充されていくのではないでしょうか?すると、A高校の指定校推薦が1つ減りました。その減った分は、指定校推薦なのか?それ以外なのか?はワカラナイけど、多分どこかで補充されていくはずです。指定校推薦の枠は、前年の出身高校別の学生の成績や過ごしかたによって、毎年それぞれの高校の数が見直されているはずです。つまり、毎年いろいろな高校で増減があるのが普通だと思います。そうなると、A高校で減った分はB高校の指定校推薦の枠が1つ増えたなど、そういう結果をもたらしている可能性が高いです。全体の数がほとんど変わらなければ、減った分はどこかで追加されていると思うので、A高校の後輩が迷惑だとしても、B高校の生徒にとっては嬉しいわけじゃないですか?トータルでは一緒なんですよね。
また、A高校出身の学生が非常に頑張って、A高校の指定校推薦の枠が1つ増えたら、別のC高校の枠が1つ減るとか、そういうことも起きるわけですよね。すると、Cの高校の後輩からしたら、A高校のせいで、うちの指定校推薦の枠が減ったじゃないか!という事態も起きるわけですよ。増える分はどこかで減り、減った分はどこかで増えるわけですよね。だから、指定校推薦で入学した学生が真面目に頑張っても、怠けたり不真面目であっても、どちらにしても、誰かが得をし、誰かが損をする構図は変わらないと思います。だから、へんな言い方かしれませんが、中退をすることで迷惑がかかる部分もあれば、貢献している部分もあるんじゃないの?ということです。これは中退じゃなくて辞退でも同様ですね。入学前の辞退です。合格が出る前、出た後を問わず。そう考えると、どういう結果になっても、あえて問題視しないといけない理由もなくなります。実際、冒頭でも言ったように、大学に入ってみないと分からない部分も往々にしてあるので、大学に入ってみてやっぱり辞めたくなったということもあるでしょうし。その場合にも学生のせいにするのは酷でしょう。
そして、辞退に関しても大学側が求めているのは、高校が優良な生徒をよこしてくれるということであって、大学がこの人が欲しいんですけど?と指定するわけじゃないので、入学予定の生徒が仮に辞退をしたとしても、客観的に悪いのは誰か?というと、そういう生徒を選んでしまった高校が悪いということになるのでしょう。約束を破った生徒が全く悪くないわけじゃないとしても、それは大学はあまり問題視していないようなんです。生徒が辞退をすることで、直接迷惑がかかるのは大学ですよね。当てにしていた入学金とか、授業料がとれなくなるわけですから。ということは、生徒は大学にそのことに関する文句を言われてもしょうがないとしても、高校には本来迷惑はかけていないわけです。大学が迷惑をかけられた生徒本人に何かしらペナルティをするのではなく、高校にしているから、その後輩への影響が出てくる。だからこそ、生徒が辞退をすると、回り回って、最終的に高校や後輩が損をするみたいなことが起きるわけです。本来起きないことが起きているという、ややこしいことになっているんです。辞退をした生徒からしてみれば、辞退をして本来は自分が何かしらのペナルティを受ければそれで終わりなんでしょうけど、そのペナルティが高校や後輩にいくからこそ、その高校や後輩が被る迷惑のことまで責任を追及されるみたいなことになっているわけです。
そして、指定校推薦は大学と高校の生徒ではなく、大学と高校の間の信頼に基づく制度なので、生徒が辞退した場合には信頼を裏切ったのは生徒ではなく、その生徒を選んだ高校にあるという判断なのです。大学は高校がそんな辞退をする生徒なんかよこしてくるからこうなんるんだ!悪いのは高校だ!と思っているからこそ、高校のペナルティを課しています。大学は高校が悪いと言っていて、世間や高校は辞退した生徒が悪いと言っている。この矛盾が指定校推薦という制度をややこしくしている側面があります。現実的には、辞退を望んでいる生徒を無理矢理入学させることはできません。せいぜい説得するくらいでしょう。無理矢理入学なんかさせたら、それこそ強要罪等に問われる可能性がある。辞退をするのは犯罪ではないが、無理矢理入学をさせたりしたら、それこそ犯罪になってしまうので、高校としてはできることは辞退をしそうにない生徒を選ぶしかないのです。辞退した生徒が問われるとしたら、約束を破ったという不誠実さの部分のみでしょう。こういった部分には法律は介入できないので。私は指定校推薦を利用しようという気持ちは高校生当時全くありませんでしたが、こうして大人になると、先輩の匙加減でどうにでもなるような制度なんだから、当てにすべきじゃないと実感しますよ。入りたい大学の指定校推薦があったとして、それに学内選考で通るか?どうかの保障もないし、指定校推薦の枠がずっと残っているか?も分かりませんから。そういう不安定な制度なので、指定校推薦への希望は持ちつつも、どうしても入りたいならば、一般入試の準備もしておくべきだと思います。
自転車で鍵をかけないでいて、盗まれたら、「鍵をかけていないからそういうことになるんだ!」と盗まれた側も非難されると思うんですよ。それは自転車を盗んだ泥棒も悪いとしても、泥棒はどう頑張っても0にはならないんだから、泥棒が絶対に存在するということを前提に、自衛の策をとったほうが賢明だ。という判断からきていると思います。それと同様に、結局指定校推薦は、自分の匙加減でどうにもならない部分で確率が上がったり、下がったりするものですから、不安定な制度ということで、過度に依存せずに、どうしても行きたい大学があるならば、自ら一般入試の勉強をしていくと良いと思います。先輩の匙加減1つ枠の増減や消滅が普通にあるならば、そりゃ枠の減少、消滅に加担する先輩がいることを想定して、指定校推薦だけに依存しないで、それ以外に確率を上げられる方法を自らとっていく、自衛の策をとっていくのが良いと思いますよ。そちらが賢明だと思いますよ。