内定辞退はいつまで?法的な期限とモラル的な期限は別
就職活動をするにあたって、内定辞退はいつまでにすればOKなのでしょうか?内定辞退をするということは、いろいろな会社から内定を貰ったということで、それはそれで素晴らしいことだと思います。ただ、その内定も複数とると、1個に絞らないといけません。その期限というのはいつまでなのでしょうか?これは法律的にいえば、入社ギリギリまでOKということになります。だから、会社が何も言ってこないのであれば、その時期に内定辞退をしてもOKということです。ただ、結構早くから内定が出た場合には、さすがにそのギリギリの時期までは待ってくれないでしょう。入社する2週間前まではOKですが、例えば、8月くらいに内定を貰ったら、さすがに3月まで待ってくれるとは思えない。法律的にはその時期に内定辞退をしてもOKです。ただ、あまり内定を保留する期間が長いと、内定取り消しにされてしまう恐れもあります。内定取り消しは自由にできるものではないので、それが認められるか?かは別ですが、認められてしまうと、せっかくと取った内定を手放すことになってしまうので、それは避けたいですよね。
問題は、社会通念上許されるというか、一般的に許容されている内定辞退までの期間はどれくらいか?というと、内定を貰ってから1,2ヶ月じゃないでしょうか?もっと早いって人もいるかもしれません。それは企業にかかる迷惑度合いを考慮してのものなので、できるだけやりなさい。ということなのでしょう。ただ、できるだけ早くやりたいのは学生だってそうでしょうけど、できない事情もありますよね。例えば、8月に内定を貰いましたが、本命の企業の選考が遅くて11月くらいにあると。すると、内定辞退をするのは早くても3ヶ月以上空きます。本命の企業がある以上は、その時期まで内定を承諾できないので、この時期まで待ってもらいたいわけですよね。こういった場合、内定辞退をする時期は当然遅れてしまうのです。だから、学生だって好きに内定辞退までの期間を延ばしているわけではないので、しょうがないのです。結果、内定先に迷惑がかかってしまうこともあるということです。
ただ、これは企業に迷惑がかかるからといって、早めに内定辞退をするということは学生が困るんですよね。企業の都合に合わせるために、11月の本命企業の選考を受けずに、すでにもらっている8月の内定先の企業に入社することに決めるとしましょう。そうなると、当然本命を受けられない。受けても入社するわけにもいかないとなれば、これは学生が迷惑を被っている状態です。内定辞退を企業優先でやれば学生が迷惑しますし、学生優先でやれば、企業が迷惑するので、どっちをとっても誰かは困るわけです。すると、内定辞退の権利を持っているのは学生なので、学生の都合優先で内定辞退をしても良いというか、するのが1番自然ではないでしょうか?企業のことを考えて、早めに内定辞退をするのも本人がそれで良いというのであれば構いません。第1希望の会社がもう選考終わっているとか、そういう場合もあると思いますから。ただ、少しでも長く就職活動をしていれば、より多くの企業が見れて、より多くの企業から内定をとれる可能性が高まります。それは少しでも希望に近い企業に入れる可能性や少しでも不満の残る会社に入らない可能性を上げてくれる、その可能性を捨ててしまうことになります。それでも良いのならば、内定辞退を素早くしましょう。
したがって、一般的に言われている内定辞退の期限というのも、企業の都合優先で言われているものだと思うので、それを守らないといけないものでもないのです。それを守れば守るほど、自分が不利になるわけですから。法律とマナーはどっちが大切ですか?といったときに、より上位に来るのは法律なんです。法律で3月の中旬くらいまででしょうかね?そのあたりまでは内定辞退をしても良いと言っています。内定後できるだけすぐに内定辞退をすべきと言っているのは、根拠となるのはマナーですから、当然法律よりも弱いのです。他人に迷惑をかけてはいけないという風潮に縛られているのが日本人だと思うのですが、これは権利なので、しょうがないでしょう。迷惑をかけたらいけないといわれたら、当然同じく法的権利である有給休暇すらも使ってはいけないことになります。それが正しいですか?正しくないと思うのならば、内定辞退をさっさとした方が良いというのも、それが強制になれば正しくないでしょう。だから、別に守る必要はないのです。というか、法律でそう規定されているのならば、3月頃に内定辞退をする学生が出てくることを企業側が想定すべきであって、それに対応した採用活動をすべきではないでしょうか?迷惑がかかるっていうのは、採用活動の仕方の問題じゃないか?と思うのです。
学生は法律で認められた権利を行使するだけで非難されるとしたらおかしいでしょう。迷惑がかかるというのであれば、採用活動の時期をもっと後にずらしたりすれば良いのに。となります。それをしないで学生が法的権利を行使したら、迷惑というのは理屈からいっておかしいでしょう。ということです。ただ、学生としては、内定辞退の時期があらかじめ遅くなりそうだと分かっているのであれば、それは前もって企業に伝えておくべきでしょう。有給休暇だって、前もって伝えて時季変更権がありますから、それと同様にした方が良いというのは分かります。実際、内定辞退までかなり時間を要するとしたら、先ほどもちょっと話しましたが、内定取り消しを食らう可能性もあります。それは嫌でしょう?内定取り消しは裁判を起こせば覆る可能性も十分あるが、それは絶対じゃないし、裁判なんか起こしたくないでしょうから、企業の期限を損ねないうちに内定辞退をした方が身のためにはなるでしょうね。内定辞退の期限というのは、法的には3月の中旬までですが、それぞれの企業が考えている期限は分かりません。それぞれですから、中には逆鱗に触れると内定取り消しになるということです。内定取り消しになっても、全てが合法なわけじゃないので、違法なものは訴えれば勝てますが、必ず勝てるとは限らないのと裁判に時間やお金がかかってしまうので、事実上厳しいとなるのです。そうなると、企業のために早めに答えを出しておいたほうが良いと言えるかもしれません。保留期間は少なめにして、早めに答えを出したほうが良いとなりますが、その場合には、その後の就職活動の継続への影響が出てしまうということです。とりあえず行くと言っておいて、就職活動を継続して、もしより希望の企業から内定が出た場合には、約束を破ってそちらに行くという方法もあります。口約束や内定承諾書へのサインは法的効果を発生させないので、不誠実と言えるかもしれませんが、一応そういう方法をとっても合法になると思います。これはモラルとかの問題ですから。ただ、学生がそういう自分都合の内定辞退をすると、人事も脅迫したり、キレる、殴られたりするケースが実際にレアケースでも起きてしまうのでしょう。内定辞退は学生、企業双方にとってトラブルの元になりやすいのです。本当に大変ですよね。